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鋼材さびの分子吸着法による評価
石川 達雄
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2005 年 54 巻 8 号 p. 361-367

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抄録

人工合成鋼材さびと耐候性鋼材さびの構造を分子吸着法で調べた. 種々の人工さびをCu(II), Ni(II), Cr(III) およびTi(IV) を含む鉄塩水溶液から合成した. 耐候性鋼材さびは, 種々の耐候性鋼をいろいろな環境下で17年間暴露して得られた. これらのさび粒子の大きさを反映する比表面積を, 窒素吸着等温線よりBET法によって求めた. 人工さびの粒子径は金属イオン添加によって減少し, その程度は金属イオンの種類に依存した. 鋼材さびの粒子径は暴露環境に大きく依存し, 鋼種にはあまり依存しなかった. 鋼種に関係なく, 飛来塩分はさび粒子を大きくし, 腐食量の増加とともにさび粒子が大きくなった. 気体分子吸着法が, 鋼材さびの評価に使えることが分かった.

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