ポリエチレンテレフタレート (PET) 共重合体 (コポリマー) に替えて, PETホモポリマーを使った亜鉛めっき鋼板への粉体塗装の検討を行った. PETホモポリマーは剛直分子構造を持つため, 成膜時の内部応力の影響が懸念されたが, 300μm程度のピンホールフリーの良好な厚膜が形成され, 基板への密着力も優れていた. PETコポリマーと同様に, 塗膜による水・塩分などの腐食要因に対する遮蔽と, 亜鉛の犠牲防食の二重防食効果により, 塩水噴霧試験 (6000h) と屋外暴露試験 (5年間; 東京都三宅島) に対して優れた防食特性を示した. 汎用ポリマーであるPETホモポリマーを導入することにより, 原料コストが下がるだけでなく, リサイクルPET使用も可能になり, 環境面でのメリットも期待できる.