抄録
令和7年6月から明治以来の懲役刑が拘禁刑に変わる。これに伴い刑事施設も矯正施設として矯正的な風土をより醸成することが求められることとなる。そのためには、刑事施設において動的保安の比重を高める必要がある。しかし、動的保安については、言葉としては新しい概念であり、その正確な意味が知られていないので、職員がその必要性について懐疑的になる可能性もあるし、被収容者との良好な人間関係を結ぶというところについては、被収容者に籠絡される危険はないのかなどについて疑問もあるかもしれない。そこで、動的保安の実施について、その必要性、職員と被収容者との良好な人間関係などを説明してその実施への職員の懸念を解消し、次に動的保安の正しい理解のために被収容者との距離の取り方を含めて動的保安の効果的実施方法について、動的保安の研究が進んでいる外国の文献を参考に具体的に説明し、そこで得られた理解を基に、最後に動的保安を実施するに当たって問われる我々の刑務官としての在り方を考察する。