作物研究
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短報
イネユビキチン様タンパク質遺伝子Rurm1がメチルビオロゲンによって誘導される酸化ストレス応答におよぼす効果
河西 恵築山 拓司 寺石 政義奥本 裕谷坂 隆俊
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 60 巻 p. 55-57

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抄録
イネ品種銀坊主の種子にガンマ線照射して得られた細粒突然変異系統IM294は,イネユビキチン様タンパク質遺伝子Rurm1(Rice ubiquitin-related modifier-1)の機能を喪失している.RURM1と高い相同性を示す酵母のUrm1pは,酸化ストレス応答タンパク質Ahp1pの機能を修飾することで酸化ストレス応答に関与することから,Rurm1もイネの酸化ストレス応答に関与している可能性があるがその詳細は未解明である.本研究は,イネの酸化ストレス応答におけるRurm1の役割を明らかにするために,酸化ストレス誘導薬剤であるメチルビオロゲン(MV)に対する銀坊主およびIM294の耐性を調査した.MV処理によるクロロフィルa,b含量の減少程度を調べたところ,処理濃度が高くなるにつれて銀坊主およびIM294いずれにおいてもクロロフィル含量は大きく低下した.しかし,クロロフィル含量の減少程度に関しては,銀坊主・IM294間に有意差はなかった.このことから,イネにおいて,Rurm1はMVによって誘導される酸化ストレスに対する防御機構には関与しないことが示唆された.
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© 2015 近畿作物・育種研究会
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