作物研究
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総説
イネにおけるシンプラスト型マンガン毒性発症のメカニズム
葉身におけるオーキシン恒常性の崩壊と光合成抑制
高木 大輔
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 66 巻 p. 1-5

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抄録

マンガンは陸上植物における必須元素の一つであり、植物細胞内において特定の酵素の活性化因子や補酵素として機能する. 作物においてマンガン欠乏状態は葉緑体チラコイド膜に存在する光化学系IIの活性低下による光合成の抑制を引き起こすことは広く知られている. 一方で、マンガンを過剰に与えた場合にも光合成活性が抑制されることが報告されているが作物のマンガン過剰吸収時に起こる光合成低下の詳細なメカニズムは明らかにされていない. 本稿では、著者らがイネを用いて明らかとした高マンガン蓄積条件下における光合成低下のメカニズムを概説したい.

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© 2021 近畿作物・育種研究会
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