日本教科教育学会誌
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運動学習における動作リズムに関する研究 : 運動表象との関係において
丸山 真司
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1985 年 10 巻 1 号 p. 31-37

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抄録
本研究の目的は,運動学習において学習者の遂行した実際の動作リズムと運動表象における動作リズムがどのように変化していくのか,またそこにいかなる関係が存在するのかを明らかにすることである。結果は以下のように要約される。1)実際の動作リズムについては,学習の初期段階では呼吸活動が阻害要因となりほとんど秩序化されていないが,学習が進行すると典型的な二つの動作りズムパターンが現われた。2)学習の初期段階では,実際の動作リズムと運動表象における動作リズムとの間には規則的な関係はみられないが,学習が進行するとこれらの動作リズムは相互に作用し合ってシンクロナイズしていく傾向にある。3)学習初期の過程においては,運動表象における動作リズムが実際の動作りズムの目標値となり,実際の動作リズムを調節しているものと考えられる。
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© 1985 日本教科教育学会
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