日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
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10 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 長谷川 潔, 小池 直己
    原稿種別: 本文
    1985 年 10 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1985/05/01
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    英語を学ぶという行為は,「英語を理解すること」と「英語で表現すること」の二つを習得することを意味している。英語を読んだり,聞いたりすることが前者であり,英語を話したり書いたりすることが後者である。別の言葉で言うならば,読み聞くことは受動的コミュニケーションであり,話し書くことは能動的コミュニケーションと言うことができるであろう。日本教科教育学会誌第9巻4号に発表した研究論文「放送英語の教育的効果に関する研究(I)-放送英語の聞き取りと書き取りにみられる誤答分析に関する研究-においては,英語ニュースをテープで流して,生徒に聞き取りと書き取りをさせるといった受動的コミュニケーションを主として取扱ったが,本報告においては,生徒自身による英語放送を作らせることによって,能動的コミュニケーションに必要な技能を生徒に習得させるための方法を考えてみた。
  • 兼信 英子
    原稿種別: 本文
    1985 年 10 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1985/05/01
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    昭和56年度より新教育課程が実施され,第3学年の選択教科は,外国語のほかに,音楽,美術,保健体育,技術・家庭の中から1教科を選択し,週1時間履修することになった。この趣旨は,生徒の興味・関心や特性等に応ずる教育を行い生徒の将来の可能性を啓発することにある。必修教科の学習を基礎として,内容を一層深め,充実した学校生活を送らせることである。そこで,第3学年の生徒が選択教科を履修した昭和57年度,58年度の意識調査を行い,生徒の実態を明らかにした。
  • 新畑 茂充
    原稿種別: 本文
    1985 年 10 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1985/05/01
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    長距離走あるいは持久走の授業は,学習者に敬遠されがちであるが,本研究の学習者は,広島県立S高等学校の「校技・駅伝」から醸成されたClimateによって,熱心に取り組んだ。走トレーニングとしての学習内容は,12分間走歩テストが用いられた。その意図は,12分間走歩テストは最大酸素摂取量との相関が高く,持久性体力を評価するのに最適であり,しかも授業を経営する上からも好都合であるという視点からであった。約3週間,連続した8回の授業で12分間走歩テストを実施し,学習者がどのように持久性体力を向上させるかを,走行距離,走後の心拍応答などから検討した。その結果,4〜5時限目ごろから持久性体力の向上として,走る距離の延長や走後の心拍応答に有意差(P<.05)が認められはじめた。しかし,6〜8時限目にはさらに高い有意水準(P<.01〜.001)に達し,一段と大きな学習効果が表出された。また,8回の学習過程の前後に測定した1,500m走およびステップテストからも比較検討した結果,時間記録と指数に向上が認められ,本授業研究の成果が顕現された。
  • 藤谷 健
    原稿種別: 本文
    1985 年 10 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1985/05/01
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    中等教育における理科と家庭科のかかわり合いの問題についての研究の一環として,高校までの理科及び家庭科を履修して来た高校卒業生という意味で,女子短大生に対して,生活の科学的理解及びそれに対する高校各教科の寄与ということについて,どのような意識を持っているかを,質問紙法によって調査した。その結果,生活の科学的理解に対して,家庭科はある程度寄与していると考えられているものの,理科はこの面では非常に低い寄与しかしていないことが分った。次に,具体的な内容の例として,燃料・エネルギー教材について調べてみると,この様な内容については,理科も不十分な知識の供与しかしていないが,家庭科は更に不十分な知識の与え方しかしていないのが分った。以上の結果から,生活離れした理科と,社会への眼の向け方が不十分な家庭科という現実の姿が実証された。そこで,その解決法の例として,燃料・エネルギー教材を扱う教科について質問したところ,大多数の回答は,理科と家庭科,あるいは理科,家庭科,社会科の協力あるいはそれぞれでこれを扱うべきであるとしており,単一教科への期待をはるかに上回っていた。
  • 丸山 真司
    原稿種別: 本文
    1985 年 10 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 1985/05/01
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,運動学習において学習者の遂行した実際の動作リズムと運動表象における動作リズムがどのように変化していくのか,またそこにいかなる関係が存在するのかを明らかにすることである。結果は以下のように要約される。1)実際の動作リズムについては,学習の初期段階では呼吸活動が阻害要因となりほとんど秩序化されていないが,学習が進行すると典型的な二つの動作りズムパターンが現われた。2)学習の初期段階では,実際の動作リズムと運動表象における動作リズムとの間には規則的な関係はみられないが,学習が進行するとこれらの動作リズムは相互に作用し合ってシンクロナイズしていく傾向にある。3)学習初期の過程においては,運動表象における動作リズムが実際の動作りズムの目標値となり,実際の動作リズムを調節しているものと考えられる。
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