日本教科教育学会誌
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家庭科被服領域における教材としての運針に関する基礎的研究(第1報) : 運針時の注視点および筋電図解析と縫い目の評価
古田 幸子吉井 明子
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1989 年 13 巻 2 号 p. 37-42

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抄録
布を縫合するための技能である運針は,和服縫製の主役として伝習的に教示されてきた。学校教育においても被服製作が実利性のみを目的としたものであったため,運針技能の習熟は必要不可欠なものであった。これからの家庭科においては,このような技能の習得のみでなく,縫製の原理,手作業の意義等を理解するための教材としても意図的に新しい観点から取り扱うべきものであると考える。そこで本報では,運針動作の原則や基準を解明する手がかりとして,アイマークレコーダーの装着により眼球運動を観察して,運針時の注視点を検討した。さらに関与筋の筋電図解析,動作分析,および縫い目の評価を行い若干の知見を得た。これらの結果は,家庭科被服領域において,運針に代表される基礎縫いを人体とのかかわりの中で理解し,指導するという新しい観点からの教材化のために有効であると考える。
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© 1989 日本教科教育学会
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