日本教科教育学会誌
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教室におけるwhenの品詞上の扱い
山内 孜
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キーワード: 関係副詞, 複合関係副詞
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1989 年 13 巻 3-4 号 p. 101-106

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抄録

「頂上に立ったときのよろこび」,the joy when I stood at the topという表現を出発点としてwhenの機能を,教室で用いられている「従属接続詞」と「関係副詞」の二極の概念から考察した。その結果この二極か併存し対持する限り上記のwhenがそのいずれの版図に所属すべきものかをめぐって教科文法の場で永久に水かけ論が続くことが予想された。このように文法的な帰属が面倒な事象があった場合に,とかく教室ではこれを言語実態とかかわりなく「あまり使われない用例か大して注目する価値のない現象」ときめつけて,問題を回避する危険性がある。教科文法としてはこのさい文部省指導要領も市販の英和辞典も,アメリカの辞書のように関係副詞という文法概念を放棄して接続詞による一本化をすべきであろう。

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© 1989 日本教科教育学会
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