抄録
山内(1989)は,「頂上に立った時の喜び」の英訳としてthe joy when I stood at the topという表現をあげ,このようにwhen節が直前の(時の概念を持たない)名詞を修飾する構文はかなり普通に見られるものであり,また,この構文を教室では次のように説明すればよいと主張している。つまり,to不定詞に名詞的・形容詞的・副詞的用法があるようにwhen節もそれらの3用法を持っているので名詞を修飾することも不思議ではない,というのである。更に,whenの関係副詞としてのカテゴリーは廃止して,接続詞に含めるべきであるとしている。本論では,これらの提案が,そのままの形では受け入れ難いことを示す。何故なら,when節が形容詞的に使われることは常に可能である訳ではなく,ある条件のもとでのみ可能なのであり,また,関係副詞をなくして接続詞として扱うことには問題が多いからである。