1994 年 17 巻 1 号 p. 31-35
小・中・高等学校の環境教育において水の汚染を実験で示すことができるように,簡単なCOD測定法の開発をおこなった。試料のaliquot,すなわち試料の量を少しづつ変えた一系列,を試験管に取り,それぞれの試験管に0.025Nの過マンガン酸カリウム溶液(0.5ml)と希硫酸(1+2)(2ml)(アルカリ法では20%水酸化ナトリウム溶液(0.5ml))を加えた。混合物を水で15 mlに定容し,沸騰水浴で30分加熱した。過マンガン酸カリウムを脱色するために必要な試料の最小量を,標準とする水を同様に処理したものと比較して汚染の程度を判定した。標準の水としては飲料水などが使用できる。アルカリ法では反応液の脱色に先立って変色が起こり,これからも汚染の程度を知ることができるので,教材としては酸性法よりも優れていた。