日本教科教育学会誌
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小学生の事象に対する初発の疑問と理解に関する研究
中川 陽一西川 純根本 和成
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1996 年 19 巻 2 号 p. 57-64

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抄録

本研究の目的は,事象に対して子どもが抱いた疑問と学習内容の定着との関係を明らかにすることにある。その際,問題把握の過程において子どもにより事象のとらえ方で異なってあらわれる疑問の質に注目した。まず,各次の初めにその次の中心となるような事象を提示し,表出した疑問を問題を意識した段階(『疑問』型)と既有の経験をもとに因果関係まで予測している段階(『仮説』型)に分け,プレテスト及びポストテストの正答率を比較した。その結果,次の点が明らかになった。『仮説』型と『疑問』型を比較した場合,『仮説』型の正答率が有意に高い。また,学習進行とともに『疑問』型から『仮説』型への変化がみられ,それに伴う正答率は高い水準で推移している。

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© 1996 日本教科教育学会
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