抄録
本研究では,大学生に英語の脚注を利用させながら,2種類のテキストを読ませ,その理解の程度と,脚注の使用の頻度との関係を調査した。なお,被験者は,上位群・下位群に峻別された。その結果,下位群は脚注を利用した頻度が多い割合には,テキストの理解度テストの結果は上位群に比べて悪かった。一方,上位群は,脚注の利用の効率は経済的で,且つ,高い傾向にあった。なお,両者の参照した脚注の種類は,あまり変わりなかった。調査の結果として,poor readerについては,脚注を多く使わせる機会をなるべく減らし,むしろ,テキストの方の難易度を下げるべく,テキストを易しくリライトすることが望ましい,という結論を得た。