日本教科教育学会誌
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技術科の授業における生徒の学習意欲の推移に関する研究
松浦 正史原田 信一安東 茂樹
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1998 年 21 巻 2 号 p. 11-18

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抄録
技術・家庭科の授業場面において生徒の学習意欲を喚起させることは,学校教育の中心的課題である。そして,そのためには教師が生徒の学習意欲を理解することが重要である。本研究は,技術・家庭科の1単位授業時間における生徒の学習意欲尺度を作成し,それを用いて生徒の学習意欲の推移を調査する目的で行った。そして,次のような結果を得た。(1)生徒の学習意欲は因子分析によって,「製作願望」,「支援要求」,「挑戦的志向」,「認知的葛藤」の4因子が抽出された。(2)作成した調査票の活用により,小単元ごとの学級全体の学習意欲の推移を視覚的に捉え,生徒の理解を深めることができた。(3)技術科担当教師の授業観察と,調査票から得られた生徒の特徴は類似している。(4)支援要求因子と挑戦的志向因子の偏差から,生徒の学習意欲の特徴が明らかになった。また,両因子得点の偏差の関係から生徒個人の学習意欲の特徴を大別することができた。
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© 1998 日本教科教育学会
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