中学校「家庭生活」領域に総合的実践を導入した,「家庭の経済」と「家庭の仕事」を総合した題材構成案を提案した。この案に基づいて授業を実施し,題材構成する際の留意点および総合的実践の意義について検証した。その結果,次のようなことが判明した。1.同じ事例でも,授業に対する意識は,意識の種類や授業方法により違いがある。意識を高めるために,生徒の利用率や適時性などの実態把握をする重要性が確認された。2.授業方法は個別の意識との関連が深く,「調査」と「講義」は主として「有益」を,「実習」は「意欲」を高める傾向がある。総合的実践において,多様な授業方法を用いることにより,生徒の総合的な認識の育成に役立つといえる。3.意識に与える影響を,事例と授業方法で比較すると,今回の授業では事例のほうが大きく,「理解」において顕著であった。生活を多面的に把握でき,生徒が関心をもつことができる,事例の選択と開発の重要性が確認された。
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