2006 年 29 巻 2 号 p. 79-87
本研究は,卓越した教授技術をもつ指導者による小学校低学年児童への指導過程と,児童の変容をまとめたものである。仮説としては以下の3つを考えた。(1)小学校低学年に合った相互学習により,子どもたちに技能の変容がみられる(2)スモールステップによる学習により,子どもたちに技能の変容がみられる(3)子どもたちの技能の変容と心理的な変容には関連がある特に(3)については,これまでの体育授業で取り上げて検討することがなかったが,子どもが技能面での達成を目指して学習を進めるうちに,当然心理的な変容があると考えられる。本研究によって,意欲・関心だけでなく,成果,学び方,協力などについて心理的な変容の客観的な情報を求め,特徴を知ることで指導に活かしていくことができると考えている。