抄録
教科を通した人格の形成を目指す教科教育において,その基盤となるのは知識・技能の習得,感性・情緒などの育成に関わる言語力である。社会の高度化,情報化,国際化が進む中で,高い知性と豊かな感性を育てるためには,言語を学習対象としてとらえるだけでなく,学習手段としてとらえ,さまざま課題発見,問題解決能力の基礎となることばの力を教科の枠を越えて育成していく必要がある。本シンポジウムにおいては,言語系,数理系,芸術系の各コースにおける「言語」の役割を明らかにするとともに,教科横断的指導により言語力育成を目指すこれからの教科教育のあり方を考えた。