抄録
本研究では,教員養成における教育実践の省察力を高めるため,小学校教員養成課程に在籍する大学生を対象として,外国語活動模擬授業の自己評価と自己省察の関係を検証した。その結果,模擬授業の自己評価の高い学生は,低い学生と比較して,自己の指導の問題点を解決しようという意識が高く,模擬授業体験において指導技術向上につながる気づきや学びが深い傾向にあり,指導の自己省察が,次の指導への準備につながっていることが窺えた。自己評価の低い学生においては,自己の指導を十分に分析することができておらず,何がどのようにうまくいかなかったかということだけでなく,模擬授業を体験しても,それを次にどのように生かすか検討ができない傾向が見られた。その原因として,メタ認知が乏しいことや,評価規準を十分に理解していないことが示唆された。本稿ではメタ認知活性化や自己評価力を向上させる取り組みについて提案を行う。