本研究は,小学校4年生の同一児童を対象に,全8時間からなる「組ずもう」の授業を6ヶ月の期間を置いて2度実施し,「身体への気づき」「攻撃的な感情の表出の抑制」及び「筋出力の制御力」の観点から効果の保持と積み重ねによる効果を検証した。その結果,1回目の授業で高まった「身体への気づき」「筋出力の制御力」及び「攻撃的な感情の表出の抑制」は,6ヶ月間保持されていた。また,再度,「組ずもう」の授業を実施することによって高まった技能の伸びが「身体への気づき」をより高め,相手の気もちへの認知を深いものにすると考えられた。さらに,相手の気もちへの深い認知は,相手への寛容を高め,「攻撃的な感情の表出」をより抑制させることが示唆された。