日本教科教育学会誌
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体力に関する知識と技能を関連させたサッカー授業の効果
津田 龍佑鈴木 宏哉齊藤 一彦
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2018 年 41 巻 2 号 p. 75-83

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抄録
本研究では, 石川県下のU 中学校に在籍する40名の3年生男子生徒を対象にして, 体力に関する知識と技能を関連させたサッカーの授業を実施した。単元前後にスキルテスト(ボールリフティング), 体力テスト( 150m方向変換走) を実施した。また, 毎回の授業後に技術面,体力面,心理面に関する質問紙調査を,単元前後に「知識,思考・判断」に関する質問紙調査を行った。主な結果は,次のとおりである。①ボールリフティングの成績は単元後に有意に高値を示した。②150m 方向変換走の成績は,単元前後で有意な変化は認められなかった。③ 毎回の授業におけるゲーム終了直後の平均心拍数は164.9±20.2拍/分, RPE は15±2であった。④ 毎回の授業後の質問紙調査において,成果(設問2),ボールをける(設問4)は単元前後で有意差が認められた。⑤「 知識,思考・判断」に関する質問紙調査において,「体力の高め方」をはじめとする各質問項目は単元後に有意に高値を示した。 以上から,本研究において考案した指導計画により,体力の向上は認められなかったものの,「体力の高め方」に関する理解が深まった可能性が明らかとなった。
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© 2018 日本教科教育学会
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