抄録
本発表では,教職大学院における教科教育学研究の在り方を考えるために,その1つの典型的な事例として,筆者の研究室で行ってきた数学教育学の分野に位置づけられる研究を取りあげる。この研究は上越教育大学の教職大学院のカリキュラムの中核を占める「学校支援プロジェクト」を中心として展開されてきたものである。本稿では,筆者が修士課程において行ってきた研究過程と比較しながら,教職大学院における筆者の研究室における研究の特徴を顕在化することを試みる。結果として,5つの主要な特徴が顕在化する。これらはいずれも「学校支援プロジェクト」という本学教職大学院のカリキュラムに適応する過程で確立し,発展してきたものである。