抄録
本稿では,「若手の教科教育研究者は,教科教育とその研究をどのように捉えているか」という本シンポジウムのテーマに対し,「教科教育とは何か」,「教科教育の研究とは何か」という問いに答えること及び,その具体例を示すことを目的とした。その結果,教科教育を「比較により見いだした教科等の固有性に基づき教科の学習指導を行うこと」,教科教育の研究を,「教科等の固有性に基づき,教科教育実践を中心として,教科の目標,内容,方法を一貫して検討し続けること」と捉えることができた。また,これらの捉えに基づき筆者がこれまでに取り組んできた研究事例を紹介することによって,その具体例を示した。