日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
Print ISSN : 0288-0334
ISSN-L : 0288-0334
「現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容」の教材開発に関する実践的研究
女子大学の教職課程におけるSDGs の認識の変容を通して
田爪 宏二高垣 マユミ
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 44 巻 1 号 p. 81-92

詳細
抄録

本研究では,新学習指導要領で新規に打ち出された,現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容を対象とし,その内容を具現化するために,女子大学の教員養成課程において,「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」を導入した中学生向けの教材作成に取り組んだ。教材作成を行った前後に,受講生のSDGs に対する認識の変容を調査・分析した。量的分析においては, SDGs の認識は[ 平等・公正],[ 自然環境],[ 福祉・教育],[ 産業・経済]の因子に分かれ,関心度,認知度は平等・公正分野が,取組のイメージは福祉・教育分野が高かった。講義後では,SDGs 全体及び各開発目標の認識が向上し,特に自然環境分野の認知度が大きく上昇し,SDGs 全体及び福祉・教育分野において認知度と取組みのイメージとの相関が強くなることが分かった。これらの変容を明らかにするために質的分析を行った結果,SDGs の課題に取り組む中で,「教科を横断的に活用する資質・能力」及び「将来の予測が困難な現代的な諸課題を解決していくための自立と共生に向けた資質・能力」が育まれている可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2021 日本教科教育学会
前の記事
feedback
Top