小学校学習指導要領を対象に平成29年版図画工作科の教科の目標にある「自分の感覚や行為」,昭和33年版から平成29年版について経年比較や教科間比較を行い,類似点や相違点を見出すことにより,文言出現数の動向を明らかにした。調査の結果,図画工作科では,昭和33年版から昭和46年版への移行と,平成20年版から今回改訂平成29年版への移行について,類似の傾向が見られた。また,類義語を含め「感覚」に関する文言は増加傾向にあった。系統主義・経験主義の視点,民間美術教育運動との関わりの視点等で考察した結果,学習指導要領の枠組みが変わった平成29年版以降も,「感覚」等は重視されるのではないかと結論付けた。