日本教科教育学会誌
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原著
トランスディスシプリナリー研究としての教科教育研究 ―学会主催シンポジウム「教科教育学研究者の専門性とは何か」に対する批判的考察―
上ヶ谷 友佑
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ジャーナル 認証あり

2024 年 47 巻 3 号 p. 65-78

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抄録

 本稿は,2022年に本学会第48回全国大会(愛媛大会)において開催された学会主催シンポジウム「教科教育学研究者の専門性とは何か」の批評論文である。シンポジウムの内容をまとめた5つの論文の批評を通じて,本シンポジウムの課題として次の3つの問題を指摘した。①教科教育研究が教育活動と社会貢献活動と過度に結びついている点。②教科教育研究ではなく教科教育研究者の専門性に議論の焦点が移行しがちである点。③研究方法論的に他の学問分野に依存しているがゆえに,教科教育研究の専門性を語る語彙が不足している点。また本稿では,教科教育研究をトランスディスシプリナリー研究として位置付けることで,これらの問題に対して,研究者の語りのみに依存せず,研究として対処していける可能性を示唆した。

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