日本教科教育学会誌
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教科教育の目的
酒見 次郎
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1981 年 6 巻 1 号 p. 1-4

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抄録
教科教育を体系化しようとするとき,先ず始めに「教科教育は何のために行なうのか」という教科教育の目的が考えられなければならない。教育は,人間を人間らしく育てていく作用である。人間らしくとは,人間性豊かにということであるが,人間性を動物的なものを基盤にしながらしかも常によりよく生きようとする人間の特性であると考え,よりよく生きるとは価値を求めて生きるということであると考えた。このことから私は,教科教育の目的は,このように人間の本性に由来する価値を求めていこうとする心を育てることである。という結論に達した。この目的を土台に,今後教科教育の内容つまり教科群に当る一つの価値体系を作りたい。具体的教材は,それぞれの価値に対応する文化財とする。教科教育の方法は,子ども達に教育の内容である価値を,一人一人の子どもが主観的に価値あるものと感ずるように,体験させることであると思う。
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© 1981 日本教科教育学会
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