抄録
この研究は,算数・数学の情意領域における目標を評価するために我国において開発された二つの尺度FAとMSDによって得られた教育目標分類学的関係に関する解析を行うために行われた。被験者は秋田大学教育学部附属小・中学校に通学する201名の,第5学年から第9学年までの児童・生徒である。FAはKrathwohl他によって記されているカテゴリー1.0から4.0に属する3項目ずつの項目から成り,カテゴリー別尺度値を構成できる。MSDは算数・数学の態度を測定する尺度である。カテゴリー別尺度値とMSD尺度値との間のピアソンの積率相関係数は,1.0:0.4606,2.0:0.7414,3.0:0.7606,4.0:0.7074であった。我々はさらにcurtailmentに関する修正した相関係数やMSD尺度とカテゴリー3.0の尺度の比較のもとで,上記関係を精査し,カテゴリーと態度とがKrathwohl他によって記された関係をもって分類学的連続体上に広がっていることを実証的に示唆した。