抄録
1998年夏、久高島の礁池においてもサンゴの白化が観察された。多くの種が白化した中で、塊状ハマサンゴ (主としてPorites luteaとP. australiensis) に特徴的な白化のパターンが見られた。それらの幾つかの群体について、1998年10月、12月および1999年3月に白化後の経過を観察した。予想に反して、塊状ハマサンゴでは概して群体の基部で白化が著しかった。白化の程度は種や群体サイズ、あるいは単に水温では説明できそうもなく、Rowan et al. (1997) が示したように、群体の部位によるサンゴ+褐虫藻の環境への順応や褐虫藻の分化を考慮する必要が示唆された。