抄録
1998年に沖縄でサンゴの白化が観察された。本研究では、白化時および白化以前のショウガサンゴの複数のサンプルについて、褐虫藻密度、クロロフィルa、c2濃度、そして褐虫藻の形態を調べた。白化現象の際に海水表面温度は31℃まで上がり、白化したショウガサンゴ群体では、1cm2あたりのクロロフィルa、c2濃度は減少し、透明な褐虫藻が有意に増加していた、白化したショウガサンゴ群体では、健康な褐虫藻は減少するが、透明な褐虫藻を含む褐虫藻密度は有意に変化しなかった。健康な褐虫藻が減少した分、透明褐虫藻が増加したと考えられる。ショウガサンゴの白化は、褐虫藻の排出ではなく、褐虫藻の色素の分解とそれに続く細胞の縮小によって起こると考えられる。