ハナヤサイサンゴの発生過程に伴う刺胞組成の変化について調べた。ハナヤサイサンゴは、少なくとも2種類 (タイプI, II) の microbasic p-mastigophores (MpM)、大型と小型の holotrichous isorhizas (HI)、microbasic b-mastigophores (MbM) と spirocysts を含んでいた。プラヌラ幼生と着生後1, 2日の一次ポリプは、ほぼ同じ刺胞組成を有していた。大型のHIはプラヌラ幼生と一次ポリプのみに見られた。プラヌラと一次ポリプではMbMが最も多く、成群体ではタイプIのMpMが最も多かった。大型のHIは着生1週間後まで保持されるのに対し、spirocysts は着生後一時的に密度が低下した。大型のHIはプランクトン期間中の防御に用いられ、spirocysts は着生時の基盤への接着に関与するのではないかと考えられる