抄録
1998年の白化現象により、瀬底島 (沖縄) の多くのサンゴがダメージを受けた。水深の浅い場所に生息していたエダコモンサンゴ (Montipora digitata) の多くは生き残ったが、イボハダハナヤサイサンゴ (Pocillopora verrucosa) の多くは死亡した。白化後の1999年の生殖時期に、水深3-5mの斜面に生息していたイボハダハナヤサイサンゴの生殖巣の発達、産卵した群体の割合そして受精率を調べたところ、白化前の1997年、1998年の生殖時期のサンプルに比べて非常に低かった。同様に、1999年のエダコモンサンゴサンプルでは、白化前の1996年のサンプルに比べポリプ当たりの卵母細胞および精巣の数が減少していた。1999年にはエダコモンサンゴについても人工受精を試みたが、正常な発生は全く見られなかった。1999年の観察では両種ともに精子の運動が不活発であったことから、受精率の低下は精子の機能不全による可能性が示唆される。