日本作物学会紀事
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作物生理 · 細胞工学
葉齢の増加に伴うオオムギの耐雪性の変化
渡邊 好昭三浦 重典湯川 智行竹中 重仁
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2003 年 72 巻 2 号 p. 192-195

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抄録
積雪地におけるオオムギの重要な形質である耐雪性について, 褐色雪腐病抵抗性と積雪下の低温, 暗黒, 湿潤条件に対する抵抗性とに分けて, 葉齢の違いによる抵抗性の変化を検討した. 3葉期の個体は1, 2葉期の個体よりも褐色雪腐病抵抗性と低温, 暗黒, 湿潤条件に対する抵抗性が双方とも高かった. さらに褐色雪腐病抵抗性を葉身における侵入抵抗性と拡大抵抗性に分けてみると, 両抵抗性とも葉齢の進んだ個体の上位葉の抵抗性が下位葉に比べ高かった. これらの結果から, 褐色雪腐病に対して抵抗性の高い上位葉のある葉齢が進んだ個体が, 葉齢の低い個体に比べて抵抗性が高くなると考えられた. 一方, 第1葉身展開前の個体は, 1, 2葉期の個体よりも褐色雪腐病抵抗性, 低温, 暗黒, 湿潤に対する抵抗性とも高く, 根雪直前に播種したオオムギが高い耐雪性を示すことを裏付けた.
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© 2003 日本作物学会
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