抄録
食用カンナ (Canna edulis Ker-Gawl.) の不定根は2本1組となって発生するが, その1組内の根の形態および解剖学的差異について調べたところ, 根茎の長軸に対して先端側に位置する1本 (頂部根) よりも基部側の1本 (基部根) の方が発生の初期から太く, 組織構造も充実していた. また, 圃場で栽培した食用カンナの根の垂直分布を塹壕法により3作季にわたって調査したところ, 生育初期は「塊状の根系」の様相を呈したが, 生育中期以降は単子葉植物には稀な「キノコ状の根系」へと推移することがわかった. キノコ状の根系形成は2本1組内で発生初期に決定される不定根の特性の差異によってなされ, 根が土塊を抱えた大きな構造 (根鉢) を形成する点や水平根と垂直根の物理的差異に基づく機能分担を発揮させる点で優れた地上部支持機能を有すると考えられた.