日本作物学会紀事
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作物生理・細胞工学
イネ登熟前期の再転流速度に及ぼす気温の影響のモデル化
楊 重法井上 直人藤田 かおり加藤 昌和萩原 素之
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2005 年 74 巻 1 号 p. 65-71

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抄録

イネの登熟前期 (穂揃期から穂揃期後2週間までの期間) における茎葉部に貯蔵された物質の再転流速度と気温との関係を表す簡易なモデルを構築するために, タカナリ, IR72, 三桂草, Ch86, IR65564-44-2-2, 日本晴, 竹成, Banten, WAB450-1-B-P-38-HBの9品種を北上, 伊那, 松江, 京都, 中国の南京と雲南省永勝県濤源卿濤源村 (2002年のみ), タイのチェンマイとウボンで2001年と2002年に栽培した. 茎葉部に貯蔵された生理的に転流可能な物質の登熟前期における再転流速度を酵素分析法で測定し, その期間における気象要因との関係を解析し, 特に密接な関係が認められた気温および気温日較差との関係を検討した. (1) 最低気温, 最高気温および平均気温を比較すると, 最高気温と再転流速度との関係が最も深く, 再転流速度が最も高くなる日最高気温 (最適気温) は31℃付近にあることが明らかになった. (2) 気温日較差と再転流速度との間には有意な正の相関関係があった. (3) 再転流速度と日最高気温との関係は2つの指数関数を組み合わせた簡易な非線形モデルによって表現できた.

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© 2005 日本作物学会
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