日本作物学会紀事
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栽培
高地下水位がアマランサス, キノアの生育に及ぼす影響
磯部 勝孝染谷 聡美江花 慶美山口 美緒氏家 和広石井 龍一
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2005 年 74 巻 3 号 p. 298-303

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抄録

アマランサスやキノアについて地下水位が生育や収量へ及ぼす影響を明らかにした. 供試したアマランサスはA. caudatus L., A. cruentus L., A. hypochondriacus L.の3種でキノアの供試品種はBaer2とNL-6である. 地下水位は水を入れた深さの異なる容器にポットを浸して調整した. A. hypochondriacus L.はA. caudatus L.やA. cruentus L.に比べ, より高い地下水位でも出芽率や生育・収量の低下が少なかった. また, A. hypochondriacus L.は地下水位3 cmでも播種後70日目の枯死率が対照区と変わらなかった. このことから, 供試した3種のアマランサスの中でA. hypochondriacus L.は高地下水位における生育量の低下が他の2種に比べ少ないと考えられた. 一方, キノアはアマランサスのA. hypochondriacus L.より地下水位の上昇による生育量の低下が生じやすく高地下水位に対する耐性はA. caudatus L.やA. cruentus L.と同程度であると考えられた. さらに, これらを栽培するにあたってはダイズを栽培する時以上に地下水位を低下させる必要があると考えられた.

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© 2005 日本作物学会
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