日本作物学会紀事
Online ISSN : 1349-0990
Print ISSN : 0011-1848
ISSN-L : 0011-1848
品質・加工
秋整枝の高さの違いが翌年チャ新芽の収量及び一番茶品質に与える影響
大前 英
著者情報
キーワード: 秋整枝, 側芽, 品質, , 収量
ジャーナル フリー

2006 年 75 巻 1 号 p. 51-56

詳細
抄録

機械摘採の導入がチャ(品種やぶきた)の収穫率に及ぼす影響, および秋の整枝高の違いが茶樹の生産態勢, 実収量, 全芽収量, および一番茶の荒茶品質に及ぼす影響について検討した. 機械摘採の導入による新芽重の摘み残し割合は, 34~37%に達した. 秋の整枝高はチャ新芽の生産態勢を変化させ, 整枝高が高いほど葉層が厚くなり, 受光率や葉面積指数が大きくなった. 弱整枝区の生産態勢はすぐれ, 秋冬季の芽の大きさ別分布では大きな芽の占める割合が高く, 一番茶期では出開度が小さく, 遊離アミノ酸やテアニン含有率が高く, 荒茶品質の官能審査値が比較的高い値を示し, さらに三番茶以降の新芽重の値が高くなった. 一方, 年間(一~四番茶)収量では摘み残しを含める全芽収量および実収量ともに中整枝区で最も多く, 弱整枝区がそれに次いだ. 機械摘採による収量ロスを少なくして, 茶樹の新芽再生力を維持( 収量の高維持) できる栽培管理法は, 秋の整枝高を中位かやや高くすることであると考えられた.

著者関連情報
© 2006 日本作物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top