日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
群馬県東毛地域における水稲全量基肥栽培専用肥料の開発
高橋 行継阿部 邑美加部 武大島 賢一神沢 武男吉田 智彦
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2006 年 75 巻 1 号 p. 82-89

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抄録
群馬県東毛地域の気象, 土壌条件, 栽培体系に適合した省力施肥技術の確立を主目的に水稲全量基肥栽培専用肥料について検討した. 溶出タイプや溶出期間の異なる7種類の被覆尿素を用い, 適切な溶出タイプ, 溶出日数の選定及び組み合わせ, さらに速効性肥料との配合比率について様々な試作肥料を供試して検討した. 1996年から5か年間検討を行い, LP70とLPS80及びLP100とLPS100の組み合わせで速効性肥料との配合比率を1 : 1とした試作肥料が基肥+追肥の標準施肥体系と収量・品質面で遜色ないことが明らかになった. これらの結果をもとに地元肥料メーカーと専用肥料について協議を行い, LP70とLPS80を1 : 1で配合し, 速効性肥料との配合比率を1 : 1とすることに決定した.専用肥料は2000年から「ふれあい省力一発型253号」として販売を開始, 現在広く普及している.
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© 2006 日本作物学会
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