日本作物学会紀事
Online ISSN : 1349-0990
Print ISSN : 0011-1848
ISSN-L : 0011-1848
研究・技術ノート
水稲コシヒカリの登熟期間における止葉の窒素含量, CCN値, SPAD値の関係
伊田 黎之輔
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 75 巻 4 号 p. 550-553

詳細
抄録
水稲品種コシヒカリを用い, 登熟期間(本報の場合, 傾穂期~成熟期間を示す)における止葉の窒素含量の化学分析値(ケルダール法), CCN値(近赤外透過方式), SPAD値(光学濃度差方式)の関係について検討した. 登熟期間における止葉のSPAD値とCCN値との間には高い相関(r=0.942***)が認められ, y=0.105 x-0.460の一次回帰式で示される. ただし, y : アグリエキスパート(CCN-05A)によるCCN値の推定値(窒素含有率, %), x : 葉緑素計SPAD-502によるSPAD値である. この回帰式による回帰推定の標準誤差は0.19%であり, 従来のSPAD値からCCN値への変換を実用的な精度で行うことが可能であることがわかった. 一方, 糊熟期における止葉のCCN値と窒素化学分析値との間には高い相関(r=0.837***)が認められ, y=16.12-2.70 x+1.51 x2の二次回帰式が成立する. ここで, y : 乾物当たり窒素含量の化学分析値の推定値(g kg-1 DW), x : アグリエキスパート(CCN-05A)によるCCN値(窒素含有率, %表示)である. CCN値による窒素化学分析値の推定誤差(RMSE)は6.14 g kg-1 DWと大きかった. しかし, この回帰式を用いることにより推定誤差は1.96 g kg-1 DWまで低下し, CCN値は止葉の窒素含量を示す実用的な指標値となることがわかった.
著者関連情報
© 2006 日本作物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top