抄録
リビングマルチ栽培において, 近年シロクローバ(Wc)が有効なマルチ植物として認められてきた. スイートコーン(Sc)栽培においてもWcリビングマルチの利用が検討され, 両者の競合を避けるためにSc生育中にWcの刈取りを行うことが提案されている. しかし, 実用性を考慮すると, Sc播種後のWcの刈取りは省力管理の必要性から避けたい作業であり, これに替わるWc抑圧法が必要である. また, 気象・土壌等の栽培環境の異なる地域でも, Wcリビングマルチ下のSc栽培を検討する必要がある. ここでは, 南関東地域の神奈川県において, Wcの秋播きと, Wc草勢を低下させる春播きとの比較を行った. さらに, 播種量の違いでの雑草抑制効果およびScとの競合関係を検討した. WcはSc播種前に一回のみ刈取りを行った. その結果, Wcは播種量に関係なく, 生育期間が長くなる秋播きで春播きよりも高い被度を保持した. 秋播きでは雑草抑制効果が顕著であり, Sc生存個体の雌穂は充実し, 品質は良好であった. 春播きでは夏雑草の侵入が見られ, Scの生育は低下した. Wcの秋播き, 春播きともにSc個体数の減少が見られたが, 秋播きでは単位面積当たりのSc生産量で慣行栽培と有意な差異は検出されなかった. 以上, 関東南部で中間刈取り無しの条件で秋播きWcリビングマルチ下のSc栽培を行うことは, 省力・無除草剤栽培として実用性が高く, 無農薬栽培への可能性が示唆された.