日本作物学会紀事
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送風時期が水稲「白未熟粒」発生に及ぼす影響
大谷 和彦吉田 智彦
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2008 年 77 巻 4 号 p. 434-442

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抄録

乳白粒, 基白粒, 背白粒等を総称した白未熟粒の発生要因を探った. 栃木県産米の1等米比率と気象, 水稲の生育の解析から, 出穂後6~25日の飽差と最大風速, 出穂前・後各20日間の気温, 出穂前30日間の日照時間, 一穂籾数が白未熟粒の発生要因であった. 基白粒, 背白粒は出穂後6~10日の登熟初期の送風処理により穂上着粒位置にかかわらず多く発生した. 一方, 乳白粒は出穂後21~25日の登熟中期の送風処理により, 上・中位の1次枝梗に多く発生した. 枝梗内では弱勢穎花の白未熟粒率が高かった. 白未熟粒率を, 出穂後0~20日の日平均気温と, 出穂後6~25日の[(100-最小相対湿度)×最大風速)]の平均値を用いて推定できた. 白未熟粒の発生には品種間差異があった.

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© 2008 日本作物学会
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