日本作物学会紀事
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品種・遺伝資源
トウジンビエ選抜効果の日本とインドネシアでの評価
吉田 智彦白鳥 智美AnasHaryant Totok Agung Dwi
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2009 年 78 巻 1 号 p. 83-86

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抄録
トウジンビエ (Pennisetum typhoideum Rich.) の子実収量を向上させるための集団選抜を短期間で行い, かつ広域適応性を付与するため, 選抜とその効果の評価を日本とインドネシアの2カ国で行った. 早生, 短稈, 長穂の3形質での選抜を日本のポット栽培で, その選抜効果の評価をインドネシアの畑で行ったところ, 緯度の異なる2カ国で栽培することにより農業形質についての選抜と評価を1年間で行うことが可能であった. なお, 遺伝的獲得量から推定した遺伝率は出穂・成熟日が0.36, 稈長が0.59, 穂長が0.41の値が得られ, これら形質で選抜の効果があることを示した. また, 穂長と出穂・成熟日の間の表現型相関は-0.38, 遺伝相関は-0.97, 穂長と稈長の間の表現型相関は0.24, 遺伝相関は0.73の値が得られ, 本集団では長穂個体は早生の, また短穂個体は短稈の傾向を示した.
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© 2009 日本作物学会
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