日本作物学会紀事
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開花期の追肥と登熟期の環境条件が異なる形状の ダイズ裂皮粒発生に及ぼす影響
平井 儀彦津島 洋津田 誠
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2011 年 80 巻 2 号 p. 183-189

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抄録
ダイズの裂皮粒発生を抑制する栽培法を確立するため,環境条件と子実の粒大が形状の異なる裂皮粒発生に及ぼす影響を調査した.開花期に,カルシウム肥料,ケイ酸肥料,あるいは窒素燐酸カリの化成肥料を与えた追肥区を設け,さらに,登熟期の9月14日から収穫期の10月24日までを10日毎の4期に分け,各期の気温が対照区より3~4℃高い高温区 (9月14日から10日毎にH1区,H2区,H3区,H4区),土壌を乾燥させた乾燥区 (同様にD1−D4区),土壌が過湿の過湿区 (同様にW1−W4区)を設けた.その結果,高温区の精粒の裂皮粒率は子実肥大盛期にあたるH2区と子実肥大盛期後のH3区で高かった.また高温区では,種皮が不定型に裂ける不定形裂皮粒率が,粒大にかかわらずH2区,H3区,H4区で高かった.開花期のケイ酸追肥では,大粒化は認められなかったが,線状に種皮が裂ける線形裂皮粒率が高く,粒大別では7.9 mm以上の子実で高かった.登熟期の土壌水分の影響については,土壌乾燥が裂皮発生に及ぼす影響は小さかったが,過湿土壌では,W1区とW2区の裂皮粒率が低い傾向にあり,形状別ではW2区の不定形裂皮粒率が低かった.以上より,不定形裂皮粒と線形裂皮粒では発生環境が異なり,両裂皮粒では発生機構が異なると考えられた.
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© 2011 日本作物学会
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