日本作物学会紀事
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作物生理・細胞工学
イネ穂ばらみ期耐冷性の地域間の変動要因と栄養生長期の温度環境の関係
神田 英司木村 利行及川 あや大川 茂範佐々木 次郎浅野 真澄佐藤 雄幸金 和裕藤井 弘志藤村 恵人鈴木 幸雄濱嵜 孝弘根本 学下野 裕之
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2012 年 81 巻 2 号 p. 190-193

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抄録

イネの穂ばらみ期耐冷性が栄養成長期の気象条件により変動するか評価した.北海道・東北の6地点(2008年),7地点(2009年)の水田に設置した同一土壌,肥料を使用したポットに品種「ひとめぼれ」を移植し,それぞれの地点で生育させ,幼穂形成期に,ポットを掘り上げ,耐冷性検定を冷水深水法にて実施した.耐冷性検定した不稔歩合は,両年ともに地域により有意に異なった.その不稔歩合の変動の多くの部分を栄養成長期の温度環境で説明でき,栄養成長期の温度が低い地域で不稔歩合が高い,すなわち穂ばらみ期耐冷性が弱いことを明らかにした.

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© 2012 日本作物学会
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