日本作物学会紀事
Online ISSN : 1349-0990
Print ISSN : 0011-1848
ISSN-L : 0011-1848
連載ミニレビュー
CE-MSを用いたメタボローム解析法と作物研究への応用
若山 正隆青木 直大
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 81 巻 3 号 p. 357-362

詳細
抄録

近年,網羅的・包括的な解析であるオミックス解析では,DNA,RNAに加えて蛋白質,代謝物等も解析対象になってきている.アミノ酸やカルボン酸などに代表される極性低分子のメタボローム解析では,分子選択性の高い分離・検出が可能なためキャピラリー電気泳動-質量分析計 (CE-MS) がしばしば使用される.これまでCE-MSによるアミノ酸類とカルボン酸類の測定では,各々異なったキャピラリーや泳動液が必要であった.著者らは,アミノ酸類とカルボン酸類を同一のキャピラリーと泳動液で測定することを可能にし,一組のCE-MS装置で低コストかつ効率的に測定する方法を開発してきた.本稿では,CE-MSを用いた極性低分子のメタボローム解析について著者らの確立した方法を解説するとともに,実際の植物試料での代謝解析の事例を紹介する.

著者関連情報
© 2012 日本作物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top