日本作物学会紀事
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栽培
「エアーアシスト条播機」を用いて湛水直播した多収性水稲品種タカナリの乾物生産と収量
―栽植様式が湛水直播栽培した水稲の生態生理に及ぼす影響―
向山 雄大本林 隆帖佐 直大川 泰一郎古畑 昌巳東城 清秀平沢 正
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2012 年 81 巻 4 号 p. 414-423

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抄録
エアーアシスト条播機を用いて湛水直播した水稲 (以下,エアーアシスト水稲) の収量,乾物生産特性を倒伏抵抗性水稲品種タカナリを用いて2009年~2011年の3ヶ年にわたって検討した.苗立ち時のエアーアシスト水稲個体の分布は点播や慣行移植した水稲と大きく異なり,条の周囲に個体が分散し,散播に近い状態であった.エアーアシスト水稲は,点播水稲や慣行移植した水稲に比較して乾物生産が大きくなったことによって収量が高くなった.エアーアシスト水稲は,点播した水稲に比較して出穂期以後,そして慣行移植した水稲に比較して全生育期間を通して,個体群成長速度 (CGR) が高かった.エアーアシスト水稲のCGRが大きかった要因として,エアーアシスト水稲は,(1) 分げつ期は慣行移植した水稲に比較して茎数の増加が著しいことによって,葉面積指数 (LAI)が大きく,ひいては個体群受光率が大きかったこと,(2) 出穂期以降は慣行移植した水稲や点播した水稲に比較して,個体群吸光係数が小さいことがあげられた.そしてさらに,エアーアシスト水稲は慣行移植した水稲や点播した水稲に比較して主茎に着生する冠根数が多く,地上部窒素蓄積量が大きいことによって,葉身の葉緑素含量が高く維持され,純同化率が高く維持されたことも出穂期以後のCGRが大きくなった要因と考えられた.
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© 2012 日本作物学会
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