日本作物学会紀事
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栽培
小麦・水稲二毛作体系で小麦作付前に施用した鶏糞が小麦と水稲の収量に及ぼす影響
内山 亜希谷﨑 司中司 祐典明石 義哉
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キーワード: 鶏糞, 二毛作, 窒素, 水稲, 燐酸, 加里, 小麦
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2014 年 83 巻 4 号 p. 314-319

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抄録

鶏糞は,山口県南部を中心に小麦・水稲二毛作体系において,化学肥料の代替えとして小麦作付前の秋に散布されている.本研究では,化学肥料を一切用いない鶏糞施用区を設けて,鶏糞が水稲ならびに小麦の収量に及ぼす効果を土壌中の全窒素,可給態燐酸,交換性加里への効果とあわせて調査した.小麦の収量は,鶏糞施用区が鶏糞なし区より,穂数,一穂粒数とも多く,千粒重も重かったことから多かったが,化学肥料を用いた慣行栽培区よりは少なかった.水稲の収量は,鶏糞施用区が鶏糞なし区とほぼ同じであり,慣行栽培区よりは少なかった.土壌中の全窒素は,鶏糞施用区,鶏糞なし区ともに,小麦収穫後の水稲栽培の前と後とで同じであったものの,可給態燐酸,交換性加里は,鶏糞施用区では水稲栽培後が栽培前より低かった.鶏糞は,窒素成分で散布直後の小麦に肥効がみられたものの,その後の水稲には肥効がなかった.一方で,燐酸・加里成分では小麦,水稲を通じて肥効があったことが示唆された.

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© 2014 日本作物学会
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