抄録
筆者らは,一般的に畑地で栽培されているサトイモ品種「大吉」が湛水状態でポット栽培することにより増収することを既報により報告した.そこで,湛水処理がサトイモの光合成に及ぼす影響を明らかにするために,畑地条件(畑地区)と葉身が2~3枚出葉した時期から湛水処理を開始した湛水条件(湛水区)でサトイモをポット栽培し,検討した.畑地条件下と比較して, 湛水条件下では,気孔コンダクタンスが高くなるとともに蒸散速度が速まり,さらには光合成に必須な葉緑素含量が増加し,光合成速度が高まることが認められた.また,湛水条件下では,蒸散量の増加が,日中の葉面温度の上昇を抑制し,高温による光合成速度の低下を軽減したと考えられた.