2015 年 84 巻 2 号 p. 209-212
スイートソルガムにおいて,茎伸長開始期は,外観からでも茎を認識できるようになる時期であり,茎体積と深い関連がある茎基部に位置する節間の形状が形成される時期でもある.しかし,各節間が葉鞘で隠されていることから,茎伸長開始期の定義付けが難しく,また,その時期を外観だけからの生育調査では正確な判断をすることができなかった.前報では,収穫時の節間長が10 cmに最も近い基部節間を選び,その節間の伸長盛期を展開葉数から推定し,これを茎伸長開始期とした.本報では,より簡便な推定方法として節間長パターンと展開葉数を用いた茎伸長開始期の推定方法を考案し,従来の推定方法と比較した.その結果,節間長パターンを用いた推定方法でも,従来の方法と同様に茎伸長開始期を推定できることが分かった.このような節間長パターンを用いた推定方法では,全個体ひとつひとつのデータに戻る必要がなく,従来の方法より,利用価値が高いと考えられた.