日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
寒冷地の水稲催芽種子の代かき同時湛水直播栽培における代かき回数と播種様式が苗立ち・収量に与える影響
白土 宏之大平 陽一山口 弘道福田 あかり
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2015 年 84 巻 4 号 p. 426-431

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抄録
寒冷地において無コーティングの水稲催芽種子の湛水直播栽培実現のために,代かき用ハローと播種ユニットとして使う施肥機,鎮圧ローラーからなる代かき同時播種機を試作した.この播種機を用いた催芽種子の湛水直播栽培技術の開発に当たり,代かき回数と播種様式を決めるために,代かき回数と播種様式が苗立ち,生育,倒伏,収量に与える影響を調査した.代かき回数は事前の粗代かきなしの代かき1回と粗代かきありの代かき2回の2水準,播種様式は播種部分が帯状の幅広条播と散播の2水準とし,2010年から2013年の4年間秋田県大仙市で試験を行った.代かき2回は1回より2葉期の草丈,葉齢が大きかったが,最高茎数,倒伏,出穂期および成熟期の乾物重,収量に差はなかった.葉齢進展が早いことの除草上の有利性や,苗立率が高い傾向を考慮して,今後,代かき2回を基本として技術開発することとした.播種様式は苗立ち,初期生育,最高茎数,倒伏,乾物重,収量に影響を与えなかったので,種子拡散板の構造が単純で,植被率が大きい傾向にあることで除草に有利な可能性のある散播を基本に技術開発することとした.
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© 2015 日本作物学会
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