日本作物学会紀事
Online ISSN : 1349-0990
Print ISSN : 0011-1848
ISSN-L : 0011-1848
研究・技術ノート
水田転換畑ダイズ作におけるチゼル有芯部分耕を活用した狭畦栽培が生育・収量および雑草抑制に及ぼす影響
片山 勝之齋藤 秀文高橋 智紀
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 85 巻 2 号 p. 204-210

詳細
抄録

秋田県大仙市の水田転換畑において,乾燥・湿害が軽減可能なチゼル型有芯部分耕播種技術を狭畦栽培に活用し,2012年と2013年の6月中旬播種において,2水準の播種密度(標播,疎播)でダイズ品種「リュウホウ」の生育・収量と雑草発生量を検討した.播種密度にかかわらず,チゼル有芯耕狭畦(チゼル狭畦)区では,全層耕標畦(標畦)区と比べて出芽率が有意に高く,雑草発生量は有意に低下したが,倒伏程度は有意に多かった.また,播種密度にかかわらず,チゼル狭畦区の子実収量は標畦・標播区(慣行)と同等であった.チゼル狭畦・疎播区では狭畦により,慣行並にm2当り莢数が増大し,それに伴い子実収量も増加した.以上の結果は,チゼル有芯部分耕は,無中耕・無培土による省力化が可能な狭畦栽培に良く適応でき,慣行の播種量を24%削減した疎播栽培が可能であると推察された.

著者関連情報
© 2016 日本作物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top